肥満とは、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)が25以上のものをいいます。
肥満を解消する目的は、糖尿病や心血管疾患などいわゆる生活習慣病を予防することにあります。
肥満、特に「内臓脂肪型肥満」と「糖尿病(耐糖能異常)」や「脂質異常症」「高血圧」を合併した状態はメタボリックシンドローム(代謝異常症候群)といい、心血管疾患の高リスクとなります。メタボリックシンドロームの中心となる肥満を解消することは、生活習慣病の予防に直結します。
肥満を解消するということは、肥満に起因する複数の疾患を一挙に改善させることです。食事療法と運動療法等を組み合わせ、体脂肪を減少させていくことが重要です。
肥満と判定されたときは、BMIが25以上35未満の場合は現在の体重から3%以上、BMIが35以上の場合は5~10%減量することが目標です。
体脂肪1kgは約7,000kcalに相当しますから、一ヶ月に2kg減量するためには現状より約14,000kcalの摂取エネルギーを減らす必要があり、一日あたりでは約470kcalを減らすことになります。
肥満の判定基準は、身長・体重から算出されるBMI(体格指数:body mass index)が用いられます。
また、男女ともBMIが22のときがもっとも疾病が少ないことから、世界的にこの値22を用いて標準体重が求められます。
注1)ただし、肥満(BMI≧25)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。
なお、標準体重(理想体重)は、もっとも疾病の少ないBMI22を基準として標準体重 (kg) = 身長 (m)² × 22 で計算された値とする。
注2)BMI≧35を高度肥満と定義する。
(肥満症診療ガイドライン 2016 : 日本肥満学会)
内臓脂肪蓄積が健康障害と関係することから、肥満の評価においては内臓脂肪蓄積の評価が重要です。内臓脂肪面積(VFA)≧100c㎡では、男女とも肥満関連健康障害である3危険因子(高血圧、脂質異常症、高血糖)の平均合併数は1つ以上です。ウエスト周囲長は内臓脂肪蓄積を推定する指標であり、VFA100c㎡に相当するウエスト周囲長は男性85cm、女性90cmです。内臓脂肪の蓄積を防ぐために、ウエスト周囲長は、男性85cm未満、女性90cm未満を目標にしましょう。
ウェスト周囲径測定方法のページへ肥満の解消は、食事療法が基本です。
自分の食生活を見直し、食事や間食の摂取量を減らす努力が必要です。
肥満(25≦BMI<35)では、一日の摂取エネルギーの算定基準は、25kcal×標準体重(kg)以下です。一日1回食や2回食にするなどのまとめ食いは、体重増加を招きます。食事は、一日3回規則正しく、できるだけ均等に食べましょう。また、間食は、控えましょう。
毎食、「主食」・「主菜」・「副菜」をそろえて、栄養のバランスの良い食事をしましょう。
生理的な空腹感よりもストレスや習慣といった外的な因子によって食べ物に手が出てしまうことも多くあります。自分の行動に問題がないか分析・認識し、行動を修正していくことが重要です。
ゆっくりよく噛んで食べましょう間食は、できるだけ控えましょう飲み物は、水やお茶などエネルギーがないものにしましょう目につくところに食べ物を置かないようにしましょう活動量を増やしましょう(参考:日本人の食事摂取基準(2015年版)の実践・運用)
テレビを見ながらなどの「ながら食い」はやめましょう食習慣に問題がないか、ときどき自分でチェックをしましょうPDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Reader DCが必要です。Adobe社のホームページ(外部リンク)から無料でダウンロードすることができます。
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