体温は年齢とともに変化が表れるもので、今まで把握していた平熱とは異なる場合があります。どのように変わっていくのか、加齢による平熱の変化と年齢別の平均体温を解説します。
高齢者の平熱は若い頃より下がる平熱は年齢を重ねるにつれて低下する傾向にあり、65歳以上の高齢者の平均体温は10~50歳と比べて約0.2℃低くなります。
その理由として考えられているのは、加齢による基礎代謝や体温調節機能の低下です。筋肉には熱を作る役割がありますが、年を重ねて筋力が低下すると、基礎代謝が下がって熱の産出量も少なくなってしまいます。
また、加齢により体温調整機能そのものが低下するため、体温が低下しても代謝や血流量をコントロールして体温を調整することができない傾向がみられます。
高齢者の年齢別・男女別平均体温平均体温を年齢・男女別にみると、以下のようになります。
年齢 男性 女性 全体平均 若い世代 10~50歳 36.92℃ 36.85℃ 36.89℃ 高齢者 65~74歳 36.56℃ 36.74℃ 36.67℃ 75~84歳 36.55℃ 36.71℃ 36.66℃ 85歳以上 36.48℃ 36.67℃ 36.63℃※参考:入来正躬、小坂光男、村上 悳、村田成子「老人腋窩温の統計値」(国立研究開発法人 科学技術振興機構)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/12/3/12_3_172/_pdf
若い世代は女性よりも男性の方が平熱は高い傾向にあります。その一方で、65歳以上になると女性の方が高くなります。
また、年齢を重ねるほど平熱に個人差が出てくる傾向にあるため、高齢者は自身の正常体温が何度なのか把握しておくことが重要です。
体温が低い状態が続くと、身体にさまざまな影響が及びます。平熱が低いのではと感じている方は以下の点を注意しましょう。
免疫力が低下する体温が下がると免疫力の低下につながります。1℃下がると免疫力は約30~40%低下するといわれており、病気になりやすい・治りにくいといった影響があるでしょう。
基礎代謝が低下する平熱が低い場合は、基礎代謝にも注意を払いましょう。体温が1℃下がると基礎代謝は約10%低下するといわれています。代謝が悪いとエネルギーの消費量が減るため太りやすくなり、肥満による高血圧や関節炎、糖尿病などさまざまな健康リスクが高くなります。
体内酵素の働きが低下する体温は体内酵素の働きにも関係があります。これは食べ物を消化・吸収しエネルギーを作り出す力のことで、体温が1℃下がると体内酵素の働きは約50%低下すると考えられています。栄養失調やエネルギー不足につながるため注意が必要です。
感染症の発見が遅くなる平熱が低いと体温の上昇に気がつきにくくなり、感染症の発見が遅れてしまうかもしれません。一般的に「発熱」とは37.5℃以上とされていますが、平熱が低ければ感染症にかかっていてもそれ以下の体温になる可能性があり、病気の発見と処置の遅れを招きます。体温が37.5℃以下であっても、普段の平熱より1℃以上高い状態が続いていたら要注意です。
体調管理のためには、自分の平熱がどのくらいなのか把握しておくことが欠かせません。しかし体温はさまざまな要因で変動してしまうので、正しい測り方で計測することが大切です。体温を測る際のポイントを紹介します。
1日4回・決まった時間に測る平熱は毎日決まった時間に同じ条件で測定しましょう。体温は時間帯やさまざまな理由で上下するため、測るタイミングによって1℃程度の差が生じるといわれています。1日数回、可能であれば起床時・昼食前・夕食前・就寝前の1日4回測定することが理想です。日をおいて2~3回繰り返し、体温の傾向を記録しましょう。
わき下で測るより正確な体温を知りたいときは、わき下測定用の体温計を使用することがおすすめです。少し時間がかかるものの、非接触型の体温計と比べて正確性が高くなっています。
測定するときは、体温計の先端を下方からわきのくぼみの中心へ差し込んでください。わきをしっかり閉じて、体温計を肌に密着させるようにしましょう。濡れていると測定に影響を及ぼすので、わきの下の汗をきちんと拭きとってから測るのがポイントです。
体温が変動する行動を避ける測定前は体温が変動する行動を避けましょう。例えば運動や食事、入浴の後や興奮しているときは体温が上がりやすく、正確な平熱が把握できません。一方、栄養失調や服薬後は体温が下がりやすい傾向にあります。なお女性の場合、ホルモンバランスでも上下するため月経周期も関係します。
こういった要因を考慮し、なるべく影響が少ない時間帯に測ることが理想的ですが、やむを得ない場合は、体温とともに測定時の状況を一緒に記録しておくことをおすすめします。
体温が低くなりやすい高齢者は、日頃から体温を上げる工夫をすることが大切です。以下のような対策を行い、健康な体温を目指しましょう。
適度な運動をする 栄養バランスの良い食事を摂る 飲み物や入浴で体を温める エアコンや防寒具を活用して体を冷やさない
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