日本酒には、健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれています。日本酒を造る工程の中で、お米が麴菌や酵母で発酵することにより、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、有機酸などの多種多様な栄養素が生まれるためです。とくに、アミノ酸は「生命の源」ともいわれ、私たちの身体を作るタンパク質の材料として重要な役割を担っています。20種類あるアミノ酸には体内で生成できるものもありますが、体内で生成できない「必須アミノ酸」は食べ物から補給しなくてはなりません。日本酒は、その「必須アミノ酸」全てを含み、アルコール飲料の中で最もアミノ酸が豊富なお酒なのです。
【必須アミノ酸】日本酒には、身体に有効な成分が豊富に含まれていることから、健康と美容にうれしい効果がたくさんあります。ここからは、日本酒を適量飲むことで得られる健康と美容への効果について解説します。
「日本酒造りに携わる人は色白で美肌の人が多い」と言われるのをご存じでしょうか。日本酒には美容成分が多く含まれており、美肌効果でアンチエイジングが期待できます。日本酒には次のような美容成分が含まれています。
・麴酸シミやソバカスの原因となるメラニン色素の生成を抑え、肌を白く保つ美白効果があります。また、細胞の活性化を促す作用があり、育毛効果や老化予防にも効果があります。
・フェルラ酸ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、シワができる原因となる活性酸素の抑制や、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の生成を抑えるはたらきがあります。
・アミノ酸肌の保湿力を高める効果があり、アミノ酸の中でも美容効果の高い「セリン」は、肌本来に備わっている潤いのもととなる保湿成分です。
・α-グルコシルグリセロール清酒に含まれる希少な成分で、保湿性が高く、リフトアップ効果もあるスキンケアにふさわしい成分です。化粧品だけでなく繊維に配合された商品もあります。
日本酒には、血流を促進するアデノシンという物質が多く含まれており、他のお酒よりも身体を高く温める効果があります。体温が上昇することで全身の血流が良くなり、筋肉のこわばりがほぐれたり、疲労の回復を早めたり、胃液の分泌を促し食欲を増進させたりなど、さまざまな効果を発揮します。病気というほどではないけれど「いまいち調子が悪い」「元気がない」といった気になる不調には、日本酒を適量飲むことで改善の効果を感じやすいかもしれません。ただし、入浴前の飲酒は急に酔いが回り、大変危険ですので、絶対に避けましょう。例えば、次のような身体の不調に改善効果があります。
肩こり 冷え性 食欲不振 疲労感これまでの研究によって、日本酒には病気や生活習慣病の予防に効果があることがわかっています。日本酒を造る工程で生まれる成分のなかには、さまざまな効果が期待できる機能性成分があり、適度にお酒を楽しむことが健康長寿の秘訣となるかもしれません。日本酒を適量飲むことで次のような病気や生活習慣病の予防・抑制の効果があるといわれています。
ガン・・・秋田大学医学部の滝澤教授が日本酒にガンを抑制する物質を発見
糖尿病・・・インスリン様物質が血糖値を下げる効果
心臓病・・・善玉コレステロールを増やし動脈硬化を抑制する効果
高血圧・・・ペプチドが血圧を下げる効果
健忘症・・・ペプチドが学習や認知機能高めて老化を防ぐ効果
老人病・・・血液の循環を良くし、悪玉コレステロールを除去する効果
骨粗鬆症・・・エポキシコハク酸誘導体が骨粗鬆症になるのを防ぐ効果
アレルギー・・・エポキシコハク酸誘導体がアレルギーを抑制する効果
うつ病・・・清酒酵母のs-アデノシルメチオニンが抗うつの役割をする効果
高コレステロール・・・水不溶性繊維、水可溶性繊維、イノシトールなどが血管や肝臓のコレステロールを流れやすくする効果
日本酒に多く含まれているアデノシンには、血流促進だけでなくストレス解消やリラックス効果もあります。日本酒を適量飲むことで身体の緊張をほぐして疲れや不安をやわらげたり、食事と一緒に飲むことで料理がより美味しくなり満足感や充実感が得られたり、ストレス解消やリラックス効果があるなど心の栄養補給となるのです。また、日本酒の香りには高い鎮静効果があり、ストレスの緩和や癒しをもたらし心身のバランスを安定させることがわかっています。芳醇な香りやフルーティーな香りなど、日本酒によって香りの特徴が異なるので、最もリラックスできる好みの日本酒を探してみるのもいいですね。日本酒を楽しみながら、「万病の元」と言われるストレスを解消しましょう。
ここまで日本酒の健康や美容に関する効果について紹介してきましたが、「日本酒は太る」「糖尿病になる」「二日酔いする」という間違った情報もあります。ここからは、日本酒の健康に関する悪いうわさ1つひとつの誤解を解いていきます。
日本酒を飲むと太りやすいというのは誤解です。日本酒のカロリーが比較的高いことや、日本酒に糖分が含まれていることが誤解される理由ですが、日本酒そのものが太る原因ではありません。
アルコール度数が高いほどカロリーは高くなり、100mlあたりのカロリーは日本酒が100kcal、ビールが40kcal、ワインが80kcal、焼酎が110kcal、ウイスキーが225kcal程度です。焼酎やウイスキーを水などで割って飲むことを考えれば、確かに日本酒のカロリーは高く思えるかもしれません。しかし、アルコール由来のカロリーは「エンプティーカロリー」とも呼ばれ、体に脂肪として蓄えられずに熱として放出されるものです。
ではアルコール以外の成分に由来するカロリーはどうかと言うと、日本酒のように糖分を含む醸造酒と糖分を含まない蒸留酒では、その差はごくわずかしかありません。問題なのは飲み方や一緒に食べている料理との「総摂取カロリー」で、お酒の種類ではなく、飲酒の量や料理の選び方が太る原因と考えられます。
日本酒が糖尿病の原因になるというのは誤解です。糖尿病は、インシュリンが不足することで血液中の糖分がエネルギーに変えられずに増えてしまう病気で、かつては食事療法として糖質制限を求められ「焼酎はいいけど、日本酒はやめるべき」と言われていました。焼酎は糖分を含まない蒸留酒で、日本酒は糖分を含む醸造酒だからですが、現在ではお酒の糖分が問題ではなく、1日の総摂取カロリーの抑制と適度な運動が最も重要とされています。
そもそも、蒸留酒と醸造酒のアルコール以外の成分に由来するカロリーの差はごくわずかでしかなく、摂取カロリーは飲酒の量や合わせる料理によって増減するため、日本酒と糖尿病の直接的な関係はありません。さらに、最近では日本酒に血糖値を下げる効果のあるインシュリン様物質が含まれていることがわかり、適量の飲酒が糖尿病の予防・抑制に効果があるといわれています。糖尿病が気になる方は1日の総摂取カロリーに注意し、適度な運動を取り入れながら日本酒を楽しみましょう。
日本酒が悪酔いや二日酔いを引き起こしやすいというのは誤解です。「日本酒はアミノ酸や糖を含んでいるためアルコールを分解するのに時間がかかる」と言われますが、医学的な根拠はありません。お酒の種類によって、含まれるアルコール量が違ってきますので、悪酔いや二日酔いを起こすのは単純に飲みすぎが原因といえます。たとえば、厚生労働省の『健康日本21』では、節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコール約20g程度とされており、お酒の種類による換算の目安は次のようになっています。
飲酒量 アルコール度数 純アルコール量 ビール中瓶1本500㎖ 5% 20g 清酒 1合180㎖ 15% 22g ウイスキー・ブランデー ダブル60㎖ 43% 20g焼酎35度 1合180㎖ 35% 50gワイン 1杯120㎖ 12% 12g引用:厚生労働省『健康日本21(アルコール) 2.基本方針』
「悪酔い」は、アルコールが肝臓で分解されたときに発生する血中のアセトアルデヒド濃度が原因で、赤面や吐き気、頭痛、脈拍数の上昇といった症状があります。「二日酔い」は、飲みすぎた後に起こる頭痛や吐き気、発汗などの不快な症状のことをいいます。どちらも、楽しく飲んでいたはずのお酒で起きてしまう可能性があるので、このあとの「日本酒のメリットを最大限に生かす飲み方」をぜひ参考にしてください。
せっかく日本酒を飲むなら、その効果を余すことなく飲み干したいですよね。しかし、身体に良いからといってたくさん飲んでも意味がありません。日本酒がもつ数多くのメリットを最大限に生かす「飲み方」についてみていきましょう。
当たり前のようで意外と難しいのが適量の飲酒です。適量の日本酒は「百薬の長」となり健康に多くのメリットがありますが、飲みすぎてしまうと悪酔いや二日酔いになるだけでなく、場合よっては体調を崩す原因となってしまいます。一般的な日本酒の適量は1日あたり180mlとされ、肝臓に負担をかけずに飲める理想的な量です。しかし、お酒に強い人、お酒に弱い人など、体質や年齢、性別によっても適量には個人差があり、飲酒時の健康状態が影響することもあります。自分が健康的に飲める適切な量を把握しておきましょう。
日本酒は、和食だけでなくほとんどの料理と相性が良い、世界でも稀なお酒です。美味しいおつまみや料理があるとついついお酒がすすんでしまいますが、肝臓の負担を軽減するには、脂肪の少ない赤身肉や白身魚、大豆製品、卵などの良質なタンパク質や、ビタミンが豊富な緑黄色野菜やナッツ類などを使った料理と合わせることが大切です。ただし、油分の多い揚げ物や塩分が多い味付けばかりでは、かえって肝臓に負担をかけることになってしまうので、カロリーや調理法に気を付けて選びましょう。例えば、次のような料理がおすすめです。
お刺身 よだれ鶏 豆腐とアボカドのサラダかぼちゃのひき肉あんかけ日本酒を飲むときは「和らぎ水」と交互に飲むのがポイントです。「和らぎ水」とは、日本酒の合間に飲む水のことで、飲酒のペースや量を抑えて酔いの回りを落ち着かせ、悪酔いや二日酔いを予防する効果があります。とくに飲酒する量が増えそうなときなどは、積極的に水を飲むことをおすすめします。また、水を飲むことで口の中をリセットする効果があり、次の一杯や料理が美味しく感じられます。体内の水分バランスを整え、血中のアルコール濃度の上昇を抑えるためにも、「和らぎ水」を実践しましょう。
日本酒を温めてゆっくりと味わうことで、心身のリラックス効果が高まります。日本酒を温めるとお酒本来の香りが強まり、アロマ効果をより感じられるだけでなく、温かい飲み物を飲むことで身体がぽかぽか温まって気持ちが安らぎます。日本酒は、35℃程度の「人肌燗」、40℃程度の「ぬる燗」、45℃程度の「上燗」に温めることで甘みや旨味が増し、より美味しくいただけます。疲れがたまったとき、イライラしているとき、身体が冷えたとき、寝つきが悪いときなどにぴったりです。温度を変えて楽しめるというのは日本酒の大きな特長ですので、ぜひ試してみてください。
日本酒には、栄養素や多種多様な成分が豊富に含まれ、健康や美容への多岐にわたる効果があることを理解していただけたと思います。「日本酒をもっと健康的に楽しみたい」「日本酒の効果について詳しく知りたい」なら、日本酒について学ぶのがおすすめです。
日本酒で生活を豊かにする「酒道」を掲げた「酒道黒金流」では、日本酒の知識や楽しみ方はもちろん、日本酒を通じて得られる「幸福な人生」「豊かな人間関係」「地域の食文化・酒文化」について学ぶことができます。
日本酒と健康の関係についてもっと知りたい方は、まずは「酒道黒金流」の無料コンテンツ「あなたの「好き!」に、日本酒が答える!」の次の動画を参考にしてみてください。
05.健康が一番というあなたへ
「酒道黒金流」では、創業400年を超える老舗日本酒蔵元「司牡丹」社長自らが、経験を交えながら動画や文章でわかりやすく教えているだけでなく、司牡丹酒造の特別な日本酒やオンライン交流を定期的に楽しめるなど、充実した内容になっています。興味のある方は、ぜひ有料コンテンツにも参加してみてください。
日本酒は、適量を飲むことで健康や美容、ストレスなどに大変効果があるお酒です。日本酒に豊富に含まれる、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、有機酸などの多種多様な栄養素が健康を促進し、日本酒の芳醇な香りやフルーティーな香りが心を癒すことで、心身の健康を保つのに役立ちます。また、飲み方をちょっと工夫するだけで、日本酒のメリットを最大限に生かすことができます。飲みすぎには気を付けつつ、食生活や心の休息をとりたいときなどに、日本酒を取り入れてみてはいかがでしょうか。
相关知识
酵素風呂の効果とは?健康と美容への影響についても解説!
日本酒で美肌になれるってホント?日本酒の美肌効果と、手軽な摂取方法を知って美肌を手に入れよう!
【美人フード】美容にお酒は効果的?おすすめのお酒とその効果をご紹介
米麹の驚くべき効果!健康と美容の秘訣は栄養素と酵素にあった!
酵素の効能とは|取り入れ方によっては効果がなくなるって本当?
日本酒は体にいいお酒?日本酒の効能・健康効果について解説! [
腸活に効果のある酵素とは?健康への効果や効果的な摂取方法も紹介
高周波脱毛に効果はない? メリットとデメリット
酵素の美容・健康効果とは?酵素のチカラを徹底解説!
酵素とは?エビデンスをもとに効果や副作用を解説
网址: 日本酒は健康と美容に効果を発揮!心身ともに喜ぶ理想的な飲み方とは https://m.trfsz.com/newsview1385893.html